高エネルギー物理の基礎〜はじめに〜
はじめに
さて、このブログは今までタイトルの通り自分用の備忘録として使ってきた。
PCとかプログラミングの設定などのメモを中心に書いてきたが、せっかくなので自分が専攻している物理学、特に高エネルギー物理学と呼ばれるものについてもまとめておこうと思う。
高エネルギー物理のカテゴリから順番に、教科書のような雰囲気で読めるようにするのが目標である。
なので、順番を変えたり、記事の内容をあとから修正したりということが割と頻繁に起こるかもしれない。
今までの記事は自分用のメモであったが、このカテゴリの記事は多くの人に読んでもらいたいと思っているし、疑問に思うところや間違いなどがあれば積極的に指摘、議論してもらいたいとも思っている。
想定している読者層
高エネルギー物理を専攻している学生だけでなく学部生の物理の学生、素粒子物理学や原子核物理学に興味を持ち始めている物理を専攻していない人にも広く読んでもらいたいと思っている(願望)。
ただ、ブリーバックスやニュートンみたいな基本的に数式が出てこない本と違って、数式を出しながら説明していきたいと考えているので、数式に拒否反応を示す人は読むのが辛くなるかもしれない。数式を読み飛ばしながら読んでもわかるように考慮はするつもりである。
これからの記事をよんでなんとなく「あーこの分野の人たちはこういうことをやっているのかぁ」
ということが伝わればいいと思う。また、このブログは高名な物理学者の人が書いた本と違い、ポンコツの一学生が頑張って書いているものなので、記事の内容を鵜呑みにするのは非常に危険である。
なぜこんな記事を書こうと思ったか
さて、なぜこのようなうぬぼれたシリーズの文章を書こうと思ったのかについてもまとめておこう。僕が大学学部生の時に最も衝撃を受けたサイトが「EMANの物理学」というサイトで、物理を専攻している人なら一度は聞いたことがあるのではないかと思う。
当時大学で使っていた教科書からはどうも堅苦しさを感じていたのだけど、webサイト上でこんなにもわかりやすく、面白く物理を語ることができるのかと当時の僕は夢中になり、サイト内の文章はすべて読破した。今の自分が物理を好きだと言えるのはかなりこのサイトの影響があると思う。それと同時に自分が勉強した物理について文章を書いてもこのサイトの二番煎じや下位互換にしかならないと思い、自分から積極的にこのような文章を書こうとは思いもしなかった。
きっかけは修士論文
さて、満を持して修士課程に進んだ僕であったが、そこでは高エネルギー物理の分野で初めて触れるような式や用語がたくさんあった。そして、それらに関連する文章を読んで「わかり辛いなぁ」と思うことが多々あった。
先に言い訳をしておくと、別にその分野の本や論文を書いている人の説明する力がないわけでなく、専門家の脳内ではちゃんと理路整然と理解できているのだと思うが、頭の弱い僕にはそれがどうにもわかりづらい文章に感じてしまったのである。
自分のような馬鹿や、普段論文を頻繁に読んでいない層にもわかるような文章を書けならいいな、と思う。そしてそれをきっかけとして少しでも物理に興味を持ってもらえれば、とも思う。
修士論文を書くときに指導教官の一人から「修士論文は未来の後輩に向けた教科書を書くような感覚で書くといいよ」というようなことを言われて張り切ったのだけど、仮にも「論文」と名前のつく性質上あまりいい加減は文章はかけず、どうにももやもやした気持ちが残った。
このブログはそんな自分の憂さ晴らしである。
偉そうなことをいっぱい書いたが、まだまだ模索している段階なので暖かく見守ってもらえればと思う。